自然観察サークルの9月定例会で石舞台地区芝生広場周辺へ行ってきました。
ナンバンギセル(思い草)
ヤマハギ
ススキ
クズ
ナンバンギセルがススキの根元できれいに咲いていました。涼風が吹いて芝生広場はもう秋でした。
「道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今さらさらに 何をか思はむ」万葉集巻10-2270
万葉の昔には道の傍らにナンバンギセル(思い草)が咲いていたのでしょう。今ではなかなか見ることができないのですが…。
ナンバンギセルはハマウツボ科の一年草で寄生植物です。ススキ・ミョウガ・サトウキビなどの植物に寄生しその根元に生えます。ナンバンギセルにも葉や根があるのですが、養分をススキなどの根からもらっているので、葉に葉緑素はありませんしほとんど見えません。ここのナンバンギセルをほじくるわけにはいかないので、自分たちで種まきをしたナンバンギセル(幸運にも芽が出て花が咲いた)を掘ってみました。
こんな花が咲いていました。なかなかいい花がたくさん咲いたと思いませんか。この内一本を掘ってみました。
掘り上げたナンバンギセルの土に隠れていた根元をズームしてみました。
このタケノコのようなうろこのようなものが葉の退化したものだそうです。
根はうまく取れなくて途中で切れてしまいました。ススキの根もくっついてきましたが、そのあたりはどうなっているのかよく分かりませんでした。おそらくススキの根とつながっていただろうと考えましたが、確認はできませんでした。
ナンバンギセルが生えていたススキは、大株でたくさんの花穂が風になびいていました。秋だなあと思えるススキの様子でした。このススキと大変良く似た「オギ」という植物があります。このオギは、地下茎で這うように増えていくのですが、ススキは株が大きくなっていきます。
石舞台古墳の芝生広場には、見ごろになったヤマハギもあって、まるでハギの花の滝のようでした。
他に、秋の七草の一つ、クズの花も咲いていました。
玉藻橋を渡った飛鳥川の岸辺にアカソとヤブマオが並んで生えていました。よく似た植物で見分けにくいのですが、今回担当のサークル員が詳しく説明してくれました。
これがヤブマオとアカソです。こんな風に写真を二枚並べるとよく似ているけど違うなということが分かります。ヤブマオとアカソの葉の鋸歯、葉のぎざぎざの形がずいぶん違います。
ところで、気になった木が一本ありました。
コナラの大木ですが、木の幹に大きな穴がいくつも開いていました。虫が木を食べて出て行った穴のようです。まだ葉が青々と茂っていましたが、木の幹は痛々しげでした。周りに広がらなければいいのですが…。
コナラのどんぐりとシラカシのどんぐりが大きくなっていました。どんぐり拾いができるのも、もうすぐでしょう。石舞台古墳の周りは、もうすっかり秋でした。
自然観察サークル 9月の活動
